事業承継・M&A
M&Aとは
M&A(エムアンドエー)Mergers(合併)and Acquisitions(買収)の略です。
M&Aとは、複数の企業を一つの企業に統合したり(合併)、ある企業が他の企業の株式や事業を買い取ったりする事(買収)をいいます。 最近のM&A取引を大きく分けると以下のように分類することができます。
- 成熟産業の統廃合
- 経営統合・事業統合
- 事業承継によるM&A
- グループ内再編
- ファンドによる投資活動
戦略的M&Aの登場
成長戦略の実現手段としてM&Aを活用する企業が多く、景気動向に関わらず、M&Aの件数や金額は増加しています。
M&Aという言葉が日本で一般的に用いられるようになって、30年以上になります。このような合併や買収又は提携は従来から日本にも持ち込まれていましたが、その用いられ方や社会の受け取り方はここ十数年の間に急速に変化してきました。
従来のM&Aと言えば、劇場型M&Aに対するマスコミの行き過ぎた報道の風潮もあり、敵対的買収等、派手で投機的なM&Aが取りざたされてきました。
現在活発に行われているM&Aはこれまでのものと異なり、前提に企業戦略があり、その戦略のひとつとしてM&Aが活用されています。
大企業が、自前主義を転換し、大企業が技術や人材の取り込みを狙い、ベンチャー企業や中小企業に対する買収や出資を急速に増やしており、異業種を含めた競争激化や製品サイクルの短縮化が進む中、自前主義では限界と判断、ベンチャー企業や中小企業を活用する大企業が増えています。
日本企業を取巻く環境や競争が激化する中で、企業を存続させたまま、競争優位性を維持、強化するためにM&Aを1つの経営戦略の一つとして活用することが必然となっています。
事業承継問題
近来のオーナー経営者様の中には将来の事業の存続に課題や悩みが抱えている方も多く、親族内に適当な後継者がいない中小企業の増加が顕著です。 承継問題を先送りにし、特段の対策を行わないまま経営を続けた場合、廃業、雇用の社会的損失が発生します。 廃業にあたり、会社を清算することでオーナー経営者様に思わぬ負債が残ってしまう場合もあります。
- 現在、国による中小企業、小規模事業者の事業承継の抜本拡充と円滑化に向けた総合的支援策が実施されております。
- (中小企業庁 事業承継ガイドライン事業承継ハンドブックより)
後継者問題、先行き不安に端を発した事業承継に係るM&Aは中小企業庁などの行政機関、地域金融機関、商工会議所を中心に幅広い支援や後押しあり、地場産業の発展、育成に多く貢献していると言えます。
近年は、事業規模は小さくても、地域金融機関の協力体制は充実しています。
会社清算の場合との比較(M&Aの場合との比較)
以下のケースは一見、極端な事例かもしれませんが、実際のケースとして十分ありうる切実な問題として存在しています。
- B/S(貸借対照表)
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- 総資産=5億0000万円(現金 1千万円 工場他 4億9,000万円)
- 負債= 4億円(銀行借入、買掛金等)
- 時価純資産 1億円
- 会社清算のケースの場合
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- 総資産=3億7,000万円(現金 1千万円 工場他 3億6,000万円:現金化)
- 負債=4億円(銀行借入、買掛金等)
清算による創業者オーナーの補てん額= △3,000万※
※資産を売却し現金化するため、値引き、撤去費用等を差し引いた金額から、負債を一括返済するために3,000万程のキャッシュを創業者オーナーが自己資金で補てんすることになります。
- M&Aのケースの場合
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- 企業評価額(株価)=時価純資産 1億円+営業権(のれん)2,500万
- 1億円+2,500万円×掛目80%~=1億円~
M&Aによる創業者オーナーの受取額= 1億円~※
※雇用や事業の継続を行いながら、創業者利潤を獲得することになります。
M&Aアドバイザーの選び方
M&Aアドバイザーには、銀行、証券会社等の金融機関や会計事務所があり、独立系M&A専門でも、M&A仲介会社、アドバイザー型など様々なタイプがインターネットでも色々と検索できます。しかし、会社のサイトだけでは実際にどんな特徴があるかの基準は難しいところです。
案件の規模による見分け方
M&Aアドバイザーは取り扱う規模(譲渡価格)により、守備範囲が異なりますので、必要とされる能力やスタイルも変わってきます。あまりにも規模と見あわないところ依頼するとM&Aの成否に影響するのでまず初めに確認しておきたいところです。
業態による見分け方
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- 金融機関の場合
- 金融機関をアドバイザーとする場合、大手金融機関であれば買手候補企業に関する情報が豊富でありますが反面、担当者が期間ごとに異動したり、グループ内の会社や重要取引先を優先するなどのバイアスも否めないことから、 収益が少ない中小企業の案件ついては担当が不向きな場面もあります。地域金融機関であればM&A仲介会社との連携にて支援に取り組む場合もあります。
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- M&A仲介会社の場合
- ある程度の知名度が高い会社は情報量も多く、様々なネットワークを通じてマッチングが可能です。営業力もあるところも多いですが、地域金融機関、会計士、税理士と組むことがよくあります。売り手が中小企業の場合、どちらかというと企業同士の精神面を重視した交渉をしてくれることを重点に置いた方が交渉やM&A後の統合がスムーズにいくことが考えられます。
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- 証券会社
- 大手証券会社では大規模な案件を中心に海外案件を強みとしてM&A支援を行っています。中小業者は小型案件も手掛けていますが、グループ内関係や重要顧客を優先的に交渉させるケースがあります。
報酬体系による見分け方
M&Aに関する手数料は売買金額に応じて、事前に取り決めた率の手数料を支払うケースが一般的です。実際には各社報酬体系はインターネットでの見た目より、大きく異なることがありますが、概ね着手金手数料+成功報酬という体系を取ることが多いです。
アドバイザーへ支払う一般的な3つの手数料
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- 着手金
- 着手金をとる会社ととらない会社があります。アドバイザリー業務を依頼するタイミングで発生する手数料でM&A成功しなくても、一般的には戻ってきませんが、逆に着手金を支払うことで、仲介会社が本気で動いてくれるメリットがあります。相場は50万~100万前後です。
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- 中間金
- 売り手と買い手との間で、株式譲渡の基本合意契約を結ぶ時点に見込成功報酬額の10%~20%を支払うもの。こちらも、その後M&A交渉がうまくまとまらなくても、一般的に戻ってくることはありません。
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- 成功報酬
- 成功報酬は成約金額の大きさに応じて料率を設定するレーマン方式と呼ばれる方法を採用しています。またほとんどの事業者が最低報酬金額(500万~2000万)を設定しています。 最低報酬金額とのバランスで仲介業者を選ぶことになります。
企業評価の算定(株価算定)
M&Aを実施するうえで、複数の評価方式から株式の評価方法の概略を理解しておく必要があります。具体的な金額の算出は会計士、税理士等に依頼することになりますが、M&Aの価格交渉おいて、大まかな仕組を複数理解しておくことが重要となります。
実際に売買の対象となるのは事業(のれんを含む)や株式ですが企業価値の評価に絶対的な評価方法は存在しません。
特に、非上場の株式ついては、相続や贈与時における評価方式として、税法上の評価方法がありますがあくまでも相続や贈与時に採用される評価方式ですのでM&Aを行う評価方式として必ずしも的確な価格とはなりません。
3つの企業価値評価方法
企業(株式)価値の算定方法は算定企業の規模や財務内容によってその方式は使い分けられますが、大きく分けてインカムアプローチ、コストアプローチ、及びマーケットアプローチの3つの類型で分けられており、主要な評価方式は、以下のように大きく分けることができます。
- ①インカムアプローチ
会社の将来または現在の算定企業が将来生み出すと予想される収益やキャッシュフローに着目し、現在価値に割り戻して計算する方法です。この中でDCF法はファイナンス理論では重要ですが、事業計画の数値次第で大きくブレが生じるため中小企業のM&A実務では採用されることは稀です。
収益方式:収益還元法、DCF法など
配当還元方: 実績方式、推定方式、ゴールドンモデル方式など
- ②コストアプローチ
- 財務諸表の貸借対照表にある純資産に着目し、会社の所有する資産と負債の差額が株主価値とする計算方法です。一般的には株式譲渡での中小企業のM&Aの際は、時価純資産額+営業権※としたものが広く採用されます。
純資産方式:簿価純資産方式、時価純資産方式、再調達時価純資産方式など
※時価純資産法は、資産項目、負債項目を時価評価し、その差額をもって価値を決定する方法です
- ③マーケットアプローチ
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対象企業と事業が類似している株式市場における株式価値に着目し、算定企業と類似している上場企業を選定し、その財務状況を参考に計算する方法です。
類似業種比重方式、類似会社比重方式、マルチプル方式など
その他の参考値として、事業価値利益倍率法としてEBITDA(支払利息、減価償却、税引前利益)が利用される機会もあります。
PMIの重要性
統合後のPost Merger Integration(PMI)の重要性
合併後(ポスト・マージャー) 統合(インテグレーション)
PMIとは
M&A(企業の合併・買収)成立後の統合プロセスのことです。新しい組織体制のもとで、経営統合によるシナジーを具体化するために、企業価値の向上と長期的成長を支えるマネジメントのしくみを構築、推進するプロセスの全体を指します。M&Aの成功の度合いは、このPMIが買い手企業と譲渡企業がパートナーとしてパフォーマンスいかにあげていくかに集約されます。
M&Aを成立させても、その後の成功は難しいと言えることがあります。
「成立」にはデューデリジェンスや価値評価、および契約の巧拙が要件となります。一方、「その後の成功」を得るには、PMIが欠かせません。
統合プランは通常、基本合意を締結する前の段階から検討され、各種のデューデリジェンスの情報により具体化されます。企業は統合が完了してシナジーが十分発揮される状態になるまでは、統合プランとしてのPDACサイクルを回していくことが必要となります。
デューディリジェンス(Due diligence)とは
「相当な注意義務」を意味する言葉で、実務的には、M&Aの際に、企業の資産価値を適正に評価する手続きです。企業の強み、弱み収益性やリスクなどを総合的かつ詳細に調査してその価値を査定します。
ビジネスデューディリジェンス :ビジネスの将来性や、内部経営資源の判定、マーケット、将来の損益予測を調査します。
財務デューディリジェンス:実態純資産の分析やキャッシュフローの分析、ディールの設計による財務リスクも調査の対象です。
法務デューディリジェンス:株主関係を含む会社組織関する情報、各種契約関係、許認可、労務問題、紛争、訴訟等、多岐にわたります。
事業承継型M&Aのご提案
専門家との連携及び管理/提携M&A仲介会社のご紹介
さまざまな案件に合わせて専門プロを選定することにより、質の高いソリューションを提供することができます。
お客様のさまざまな状況
後継者がいない/いても経営者として不安/M&Aにより事業の売却を検討している/後継者に株式また事業を買い取る資金がない/事業の戦略的再編を図りたい/会社を次のステージに引き上げたい/先行きが不安/信頼できる相談相手がいない。/廃業したいが負債を精算できない/借入金の連帯保証も解消しリタイアしたい。
M&Aの活用法
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- 企業評価の算定
- あらかじめ自社の企業価値を算定し、戦略的に企業譲渡の交渉力を高めることができます。
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- 小規模M&Aも対応
- 膨大な潜在需要に対して小規模M&Aの仲介を行う業者は不足しており、そうしたニーズに対しても積極的に取り組みます。
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- 最適なスキームを提案
- 通常の株式譲渡の他にも、事業譲渡や会社分割など、最適なスキームを提案もいたします。
相談プロセス
- 1. ご相談の予約
- お電話にて、ご相談の予約を頂きます。
(ご相談は無料です。秘密厳守にて承ります。) - 2.ご相談実施
- 会社案内、決算書等の書類をお持ちいただき、社長様のご意向をお伺いして、無料にて診断させていただきます。
今後の対応方法や進め方に等について、情報提供や判断材料の提供をさせて頂きます。
- M&A支援会社のご紹介
JFSが提携するM&A支援会社と面談を行い、M&A支援に関する内容料金等を十分検討のうえ、依頼事項を検討していただきます。
※M&A支援会社との契約を行った場合、その会社が定める手数料が発生します。
- JFS直接の支援
- JFSが持つネットワークにより寄せられたM&Aニーズの中から成約に向けて継続的に相談を承り、フォローを致します。
※案件内容に応じて、成功報酬等の手数料が発生します。(事前見積りにてご提示)
無料相談のご案内【秘密厳守】
- 事業承継のためM&Aを考えているが、譲渡できる可能性はあるのか。
- M&Aをする際、自社の評価額はいくらぐらいになりそうか。
- M&Aに取り組んだ際に、どのような点が課題になりそうか。
- 知り合いの会社にM&Aの話を持ちかけられたが、どのように判断すればよいか、交渉時にどのような点に留意すべきか。
- 当事者同士で会社(事業)の売買について双方の理解を得られたが、進め方や手続きについてアドバイスが欲しい。
- M&A仲介会社に依頼しようと思うが、不安がありセカンドオピニオンが欲しい。
- 無料相談のご案内【秘密厳守】
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ご来所いただき社外にて、ゆっくりと約120分の無料相談の受けさせていただきます。
- 突然、社内に見慣れないコンサルタントが来た場合、社員やご家族の不安を煽るのではないか。
- ご相談の初期段階においては、会社の状況を周りに知られたくない経営者の方も多くいらっしゃいます。
- 無料相談では、ご来社いただくことで、ゆっくりと集中して相談して頂くことができるよう環境を整えてお待ちしております。
まずは、お電話もしくはご相談フォームで、無料相談をお申し込みください。
お急ぎの方、すぐにご来所いただくことが難しい方につきましては、お電話での無料相談も受け付けております